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古くて新しい歩く瞑想 ラビリンス・ウォーク

古くて新しい歩く瞑想 ラビリンス・ウォーク

歩くことで、さまざまな思いが浮き上がってくる

一本道をたどって歩き、心を休ませる

家事に仕事に毎日忙しく過ごしていると、我慢やストレスが積み重なり、ふと「心が疲れている」「なんだかもやもやする」と感じることはありませんか?
自分を見つめ直したり、何も考えない時間を持つことは、心の健康にとって欠かせません。その方法としておすすめなのが「ラビリンス・ウォーク」です。
ラビリンスとは、円形に複雑な道が描かれた図形のこと。一見、迷路のように見えますが、分かれ道はなく、円の外側から中心へと続く一本道になっています。この道を歩き、たどりながら瞑想を行います。

古くは4千年以上前から存在、国内では大学などで導入

ラビリンスは、実は古くからギリシャ、イタリアをはじめ世界各国で見られています。特に有名なのが、フランスの世界遺産・シャルトル大聖堂の床面に13世紀ごろに造りつけられた図形(下図)です。
日本では1999年に国際基督教大学で導入。その後、上智大学やルーテル学院大学などで導入しており、愛知県と東京都には常設されている修道院もあります。
また、民間団体「ラビリンス ウォーク・ジャパン」が、全国各地でラビリンスを歩く催しを支援しています。

 

<シャルトル大聖堂の床面と同じ図形の「シャルトル・ラビリンス」>

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※この図をダウンロードできます。使い方は次ページで。

よいときも悪いときも、さまざまな心のケアに

「ラビリンスを歩く」という行為は、1990年代のアメリカで広く知られるようになりました。大きな布に描かれたラビリンスを、床や地面に広げて開催されました。現在では、教会や寺院などの宗教施設のほか、宗教を問わず、公園、大学、病院、ホスピスなどで、ストレス軽減、リラクセーションなどに用いられています。また、結婚式や、災害の追悼式などでも、人生の節目に共に向き合う目的で行われることがあります。

歩きながらだと瞑想しやすい

「瞑想」というと、じっと座っていなければいけない印象があるかもしれません。しかし、ラビリンス・ウォークは、自由に「歩く」だけです。
まず、道が曲がりくねっているので、自然と歩みがゆっくりになります。そして、途中で道が中心に近づいてきたと思ったら、遠ざかることもしばしば。ときには、歩く方向が180度回転し、見える景色が急に変わることもあります。
このようにしてラビリンスをたどって歩いていると、さまざまな考えが浮かんできます。そして、浮かんできた考えに向き合うことで、自分の感情や心をとことん見つめ直すことができます。

その道のりを人生になぞらえる

ラビリンスを歩く効果は、人それぞれです。ある人は、方向転換するたびに視界が変わる道のりが自分の人生に重なって見え、前向きになるヒントを得たといいます。
また、大切な人と死別したり、ペットを失ったり、失恋したりして心に傷を負った人が、感情を整理し、現実に向き合うきっかけになったという例も。結婚、離婚、転職など、人生の転機に自分を見つめ直すことに役立ったという人もいます。歩くことに集中するうちに「無になった」という人もいます。
反対に、「何も感じなかった」、「ゆっくり歩くことにイライラした」、「嫌なことばかり考えしまった」など、好ましくない感想もあります。その場合でも、「思っていたより疲れがたまっていた」「自分は意外とせっかちかも」「悩みの本質が見えた」など、新たな発見や気づきにつながります。


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